ムンプス難聴をチャンスに変えてきた片耳難聴の大坪健二さん

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今回は、30代で「ムンプス難聴」という病気にかかり片耳難聴となった大坪健二さんのインタビューです。
彼は、ムンプス難聴になった後にLinkという中途失聴・中途難聴者の団体を立ち上げたり、また聞こえの補助をする「補聴アプリ」を開発したり、と精力的にやってきています。
この彼の明るさと強さはどこにあるのか・・・?また、Linkとは?補聴アプリとは?などなど色々とお聞きしました。

(インタビュー者はHAPUNEスタッフのミチという方です。また、文章は本人の発言をそのまま写しています。ありがとうございました。)

目次

ある日突然ムンプス難聴に・・

(注意:以下、しばらくは大坪さんが出版した本からの引用と大坪さんからのコメントが続きます。
この本については最後の方にリンクが貼ってありますので、ぜひともご覧ください。)

あれ?右耳がおかしいぞ

当時、保育士修行をしていた頃。
次年度から勤める保育園からの指示で、抗体検査をしたところ、おたふく風邪の抗体がないことが分かりました。
そのため、予防接種を翌週に打とうと考えていたんですが、予防接種を打つ前におたふく風邪に罹ってしまい、その合併症の右耳ムンプス難聴という病名によって、右耳を完全に失聴致しました。

(以下、kindle版からの引用)

(2011年2月4日 金曜日)

僕「あれ?TVの音が小さい?」
「ちょっとボリューム上げよか。」

そう思い、テレビのリモコンを持とうと体を起こしてみると、

僕「あれ?よく聞こえるやん!」
「なんじゃこりゃ?どうゆうこと?」
「まさか右耳が聞こえにくくなっている?」
「右耳が聞こえていない?」

何度か枕に左耳をあてたり離したりして、この不思議さを確認して面白がりつつ、聞こえが悪くなっているのかも?ってことに気づいたんだけど、その時は、あまり深く考えずに、

僕「まぁ、今日のところは寝とこう!」

引用:中途失聴者をハッピーに!【右耳失聴体験編】 著者 大坪健二 3・4ページ

ムンプス難聴確定

そして大坪さんは、病院に行き状態を説明し、様々な検査をすることになりました。
ここで、ムンプス難聴ということを初めて知ったそうです。

2011年2月7日 月曜日AM3
聴力検査の結果をお医者さんが眺め、僕にも見せながら、

医者「聴力検査の結果ですが、右耳はほとんど聞こえていない状態ですね。」
「ムンプス難聴ですね。めまいとかはありますか?」

僕「ムンプス難聴?めまい?」
「めまいと言っていいのか、熱のせいなのか?」
「歩く時になんかフワフワした感じがあります。」

医者「ムンプス難聴はおたふく風邪の合併症で稀に発生するんです。」

(略)

僕「で、耳は聴こえるようになるんですか?」

医者「ムンプス難聴の場合、難しいかもしれません。」
「なにより早く治療をすることが大切なんです。」

引用:中途失聴者をハッピーに!【右耳失聴体験編】 著者 大坪健二 11ページ

未知の世界への尽きぬ好奇心と探求心があった


その後大坪さんは、自分の右耳が聞こえなくなったという現実を知りました。
でも、その現実に打ちひしがれるどころか、逆に「どうなっていくのか」という前向きな好奇心があったそうです。

僕「ん~、これは・・・。
聴力回復でけへんかもしらんなぁ・・・。」

色んな情報に触れたことで、かなり厳しそうな難聴を発症しちゃったことを実感させられました。
調べている時に感じたのは、現実を知ることによって生じる不安や落胆といった負の感情じゃなくて、どちらかというと分からないこと、知らなったことに対する好奇心がどんどん高まってきてるって感じでした。

引用:中途失聴者をハッピーに!【右耳失聴体験編】 著者 大坪健二 20ページ

仕事はどうする?保育士はもう続けられない?

それから保育士という仕事に復帰を果たした大坪さん。
しかし、そこで改めて厳しい現実に直面することになりました。

聞こえないのは片耳だけ、でもこんなに大変!

子どもたちの元気な声が頭の中に響いて、グワングワンと響きまくって、一気に頭がパンクしそうな、頭の芯がズ~ン重苦しくしんどくなっちゃいました。加えて、

僕「はぁ?この子ら何を喋ってる?」
「サッパリ分からん!」
「何?どこで音がした?」
「どこから呼んだ?」
「誰が呼んだ?」

取り囲んでくれてた子どもたち全員の声が、絵具を混ぜちゃったかのように混ざっちゃって、聴き分けられないから聴き取れない。それに、他の職員が保護者や別の職員とも喋ってて、その声も子どもたちの元気な声や周りの音に混ざっちゃって全く聴き取れない。

引用:中途失聴者をハッピーに!【右耳失聴体験編】 著者 大坪健二 43ページ


写真は退院後、「右耳が聞こえない」ということを子どもたちに分かってもらうためにバツマークをつけた大坪さん

将来はどうしたらいい?生活はどうする・・・?

そして保育士として就労を続けることが困難になったと感じたので、現職場へどう伝えるか、子どもたちへどう伝えるか、次年度から勤める予定にしていた職場へどう伝えるのか、家族へどう伝えるのかを悩みました。
そして、どうやって稼いでいこうか、病気によって生じためまいはどうなっていくのだろうかと不安を感じていました。

楽天的な母に救われた

僕「17日に帰るわ!」
「そんで、今の状態を話すわ!」

母「17日はええけど、午前中はプールがあるから、昼過ぎにしてもらってもいい?」

僕「あっ、あぁ・・・」
「了解了解、昼過ぎね。」

(略)

「まぁ、その楽観的なお母さんのおかげで、気持ちが楽になったんじゃない?」
「親の性格を引き継いだから、今それだけ前向きに生きれてるんじゃない?」

と、母への捉え方が変わっていったんです。
引用:中途失聴者をハッピーに!【右耳失聴体験編】 著者 大坪健二 45・46ページ


本を読んでも分かりますが、大坪さんは元来楽観的なところがあり、その性格のおかげで「難聴になった」という現実を突きつけられても「前向きに」「難聴を楽しむ」気持ちをずっと持ち続けてこれました。
それは母の性格のおかげというのが大きかったようです。

その後、大坪さんは色々なことがあり、「Link」という中途失聴者・難聴者のための団体を立ち上げることになりました。

中途失聴者・中途難聴者の団体Linkとは

大坪さんがムンプス難聴で片耳を失聴した後に団体を立ち上げた理由はどのようなものがあったのでしょうか。
また、どうして立ち上げようと思ったのか、Linkとはどんな団体なのか・・を聞いてみました。

難聴になってみて支援の少なさに気づいた

Linkを立ち上げた動機は、入院中、退院後の苦労体験が一番の動機だと感じています。
右耳が聞こえなくなったかも、と不安を感じ始めた矢先に、耳鼻科医からムンプス難聴と診断され、治療のために即日入院を命じられました。
病気や治療に対する無知さからくる不安をどうにかしようと、また、知的好奇心を満たそうと、スマホで情報を検索したのですが、情報が点在していて、欲しい情報を集めるのにとても苦労しました。

そして、分かったことは、

・回復は極めて困難である
・身体障害者非認定なので、公的なサポートが全く無い
・適した民間のサポートが無い
・他の同様な先輩体験者の情報が無い

といったネガティブなものばかりでした。

それに加えて、当時、保育士として就業していたんですが、片耳が聞こえなくなったことで、音による距離感覚・方向感覚を喪失し、音声抽出力という便利な能力も失ってしまったので、離職することを決断したんです。
(こどもの危険な状況に気付きにくいことから、安全に保育するのが困難と感じたからです)

その結果、“片耳が聞こえなくなった無職の人間”が生まれたんです。

でも、こういった困難に直面した人は自分自身以外にもいたはずだし、これからもそういった人は生まれ続けてくると確信していました。
なので、これから困難に直面する人たちへのサポートを事業化できれば、困難に直面した人たちは、心穏やかに過ごせるようになるし、色んな人が今よりももっと過ごしやすい社会になるし、自分自身の生活も成り立つだろうと考えてLinkを立ち上げることにしました。

Link・・・http://link-ai.jp/

この団体は現在、任意団体です。会員制にはしていません。
また、今のところ、法人格を取得することは考えておりません。
法人格を取得する必要がある場合、取得した方が都合が良い場合には、そのことを検討しようと考えています。

健常者と中途失聴者をつなげたい

また、Linkという名前は、横文字に憧れがあったので、何かイイ単語はないかと思っていて、でも何かしらの意味を持たせたいという想いもありました。
なので、日本語で色々な案を出して、それの英単語を探す、ということを繰り返していました。
最終的に「つなげる=Link」という単語が、「健常者と中途失聴者をつなげる」という僕自身の願いを代弁できていると感じたので、Linkに決めました。

ロゴマーク

健常者と中途失聴者の関係をスムーズにしていきたい

中途失聴者は、中途失聴後の健常者との人間関係の調整が大変難しいことがあります。
例えば、

・職場内における健常者と中途失聴者
・私的な人間関係における健常者と中途失聴者

といった2例が比較的想像しやすいと思います。

職場では、失聴前後で”対応可能な業務”が変わります。

しかし、”障害受容の状態”によっては、上司・同僚との調整が思うように進まず、就労継続が困難なケースがあるので支援が必要だと考えています。

同じように、失聴に伴って、親族・友人とのコミュニケーション方法が変わります。
しかし、自身の説明下手、説明不足、周囲の無理解によって、従来の関係が壊れるケースがあるので支援が必要
だと考えています。

上述のようなケース等は、第三者が支援する方が、互いの状況を客観的に受け止め、理解しやすくなると考えられるので、“つなげる役割を担っていく”というのが僕自身の願いです。

聴こえマーク開発

僕は2011年に失聴して、聞こえの変化に戸惑い、メマイ・体調不良にも悩まされていたので、失聴について自己表示するグッズを探しました。
しかしながら、当時は、シール、カード、ノート等のあまり実用的でないものしかなく、困っていました。
また、僕自身が35年間その存在を知らなかったので、「このままじゃあかんわ!」という思いが強くなりました。

自分自身の自己表現のための「聴こえマーク」

そこで、自分自身の自己表示用として、「聴こえマーク」を創設し、キーホルダーを製作することにしました。
そして、自分以外にも同じように感じている人はいるだろうし、これからも出てくると思ったので、販売することにしました。

これが「聴こえマーク」です。
皆さん、もしよろしければ様々な場面で使ってもらえると嬉しいです。

中途失聴の発症者数に見合うようもっと広めていきたい

このキーホルダーの販売の売れ行きは、年に数十個売れています。
突発性難聴等の中途失聴の発症者数から考えると、好調とは言えないでしょう。
でも、この状況によって以下のことも分かってきました。

・啓発が不足している。そのため、啓発方法もどんどん変えていく必要がある
・当事者の皆さんの中でも自己表示したいと願う人は思っていたよりも少なそうである

今後も、必要と感じている人にしっかり届くように啓発、販売を続けていこうと思っています。

補聴アプリ制作・販売

このアプリは、中途失聴や中途難聴になって間もない人が、受診時に医療関係者と会話するとき、治療、入院中に知人と会話するときにお役に立ちたいと願って開発したアプリなんです。

機能自体は比較的シンプル

アプリの機能自体は比較的シンプルで、iPhoneやiPodに内蔵されたマイク(通話時に使うマイク)で集音した周囲の音を、本体(iPhone、iPod)に接続したイヤホンで聴くというものです。

周波数を自分の好みに調整可能

そして、アプリの特徴でもあるんですが、集音した音を自分好みの音質に変えられるように、幾つかの周波数帯に分けていて、それぞれの音量を自分で調整できるようにしています。

なので、高音の2,000Hz周辺の聴力が低下した人は、その周辺の周波数の音を大きく出して、その他の周波数のところは小さめに調整して聴くことが出来ます
難聴の程度や状態は、人によって様々なので、自分自身に合った調整を自分でしてもらえるようにしたんです。

このアプリは自分の経験が生きている

失聴をして病院を受診した際に、お医者さん、看護師さんに左耳を近づけないと聴き取れないことが頻繁にありました。その時に、もし万が一、自分の左耳が難聴になったら非常に困ると感じたんです。
そして、両耳が突然難聴になった人は非常に困ってるはずだと感じたんです。

また、突然の難聴で受診し、治療している時には、回復したいという気持ちが大きいし、十数万円~数十万円もする補聴器を買う気にはならないと思いました。
でも、医者の話は聴きたいし、看護師さんとも会話できないと困るだろうし、なにより知人と会話したいと思ったんですが、既存には容易に使えるサービスがありませんでした。

そしてこのアプリをリリースしました。
リリースしたのが2011年12月なんですが、現在も毎月5~10はダウンロードされ続けています。
これは、困りごとを抱えた人が毎年生まれている証拠なので、そんな人たちに役立っていることを祈るばかりです。

アプリの詳細は、
http://itunes.apple.com/jp/app/easyhearingaid/id477648318?mt=8
http://itunes.apple.com/jp/app/easyhearingaid/id477648318?mt=8&uo=4

こちらにあります。是非とも見てください。

お喋り会

「お喋り会」を始めようと思ったキッカケは、京都の軽中度難聴者の集まり「かものはし」です。
彼らの会に参加して、初めて同性の同年代の人たちと話しました。
そして、自分ひとりで考えてきたことに対して共感してもらえたことで、一気に気持ちが軽くなったように感じました。
そして、この体験が京都だけでしか味わえないのはもったいないし、僕のような「中途失聴して間もない人」が訪れやすい場があった方がイイと考えたので、「お喋り会」を始めることに決めました。

内容は特に決めずにおしゃべりをする

内容は、互いの自己紹介(45分)、自由な内容のお喋り(45分×2回)で、後者の話題は、参加された人が話したいこと、他人に尋ねたいことによって異なります。
補聴器、障害者手帳、障害受容、コミュニケーション、民間療法、就職活動、等々で色々です。
主に中途失聴・中途難聴の人たちが参加されますが、生まれつきの難聴の人も参加されることはあります。ろうの人の参加はほとんどありません。

当事者間で熱烈な喝が入ることも

このお喋り会では、”同じような障害を抱えた人たちによる共感的態度によって内省する気持ちを持ち新たな気づきを得る”という面があります。
その一方、当事者間で熱烈な喝が入る場面もあります。

ーAさんの場合

Aさんの第一印象は、とても「陰」な雰囲気を漂わせていました。
初参加の際にAさんが、「自分自身で考えに考え抜いて、ようやくこのお喋り会に来られた」と話して下さいました。
すると、その話を聞いていた他の参加者から、「もっと前を向いて生きなあかん」といった趣旨で激励、アドバイスが少し厳しい雰囲気で伝えられました。
たまたま、Aさんとその人の相性が良かったのでお喋りがすごく弾んで、あっという間に会の終了時刻になったのですが、帰り際のAさんは、表情には笑顔が出ていて、すごく明るい雰囲気に変わっていました。
その後、他の人が驚くくらいに色んなことにチャレンジをし始めて、今も健やかに過ごされています。

このように、当事者同士で話をすることで劇的に前向きになった人もいたり、自分以外の中途失聴者の経過を探求に来られる人がいたりします。
そして毎回、異なるメンバーが参加されますので、その都度、会の雰囲気は大きく異なり、カウンセリングのような日があれば、勉強会のような日もあるので、本当に様々です。
そして、”同じ悩みを抱えている方”といった深刻な雰囲気の人は少なく、”同じような障害を抱えた方に会う”という目的意識を持った人の方が多いように感じます。

産業カウンセラー資格を生かした「おはなしチェア」

突然、聞こえに不自由を抱えちゃった当事者さんたちが、“周囲の人との関係の変化”について、最も戸惑っていますし、苦労していると痛感しています。
そのため、産業カウンセラーの資格を自らが取得し、当事者さんへ、“おはなしチェア”という名称でカウンセリングも始めました。
また、周囲の人たちへの啓発も進めていかないといけないと感じています。

大坪さんにとっての障害受容とは

大坪さんがLinkを運営しておられるということで、障害受容はできているのかなどを聞いてみました。

障害受容とは何か

数年前、自分では「障害受容している」と認識していましたが、他人に、「大坪君は障害受容できてない、受容しないと」と言われた経験があります。

このように、「アイデンティティ確立は人それぞれ」「自分では自覚していないものが他の人からはこのように見えるというのも珍しくない」ため、その時から「『障害受容』という語句」は気にしていません。

障害の受容とは,自己の身体障害を日常生活との関係で客観的かつ現実的に認め,心のなかにわだかまりのなくなることである。これは身体的,心理的,社会的な三つの側面から考えられる。
引用:http://www.ipc.hokusei.ac.jp/~z00105/_kamoku/fukusin/sinsyo_juyo.htm

このサイトで説明している内容であれば、ある程度納得できる感じがしております。

大坪さんにとっての人工内耳とは

私の人口内耳に対する考えは、「何かしらの音を聞きたい」と望む人には有効な機器なんだと思っています。
その一方で、「昔、自分が聞いていた音と同じ音を聞きたい」と望む人にはあまり有効ではない機器だろうと感じています。
人口内耳の装着に対する考えは、集音部の小型化がもっともっと進んで、耳たぶ内に充電池が治まるような状況になって欲しいと願っています。
補聴器のような集音部の見た目と着脱の煩わしさが小型化によって解消されれば、「何かしらの音」でも試してみたいと思っています。

最後に、私は、人口内耳は賛成も否定もしないようにしています。
人口内耳は、手術を伴う補聴システムであり、現状では後戻りできない補聴システムなので、他人に勧めることも、他人が装用することを止めることもしないようにしています。

中途失聴・中途難聴者は障害受容が難しい人が多い

当事者の皆さんの中でも、自己表示したいと思う人は思ったよりも少ないです。
特に、「難聴を受容できずにいる」、「障害を隠したい」という気持ちの人がおられます。

僕自身がお会いしてきた人で、自己表示しない理由をハッキリと言葉に出してくれる人は少ないです。

そのため、コミュニケーションを通じて彼らから伝わってきたことを書き出すと、

・受容はできているけど、わざわざ自己表示するのは気が引ける
・受容はできているし、なんとかなっているから、わざわざ自己表示するまでもない
・受容ができていないけど、なんとかなっているから、自己表示はしない
・自己表示したいと思ったことがない
・自己表示をするメリットを感じない
・自己表示するのは恥ずかしい
・障害がバレないように隠したい
・自己表示する気持ちになれない
・自己表示したいという思いはあるけれど、まだその勇気がない

です。

そういう人たちなんですが、お喋り会に何度か参加することでその心境に前向きな変化が生じるので、そんな姿を見たり雰囲気を感じたりお話を聞けたりするととても嬉しいです。
安心してお喋りできる場所ってあんまりないので、気軽にお越しいただければと思います。

中途失聴者・中途難聴者のメンタルケア

例えば中途失聴・中途難聴を抱えた人たちは、病院に足を運ばないということではなく、耳鼻科に足を運ぶタイミングが遅れがちで、手遅れになることが多いように見受けられます。
そして、自分の耳に生じた異変と、心に生じた異変を分けて考えるのが苦手なようです。
なので、ようやく耳鼻科を受診しても、医師は耳の治療のみで心への配慮がないことから、不満を抱く人が多いようです。

中途失聴・中途難聴者へのカウンセリングをしていきたい

というのも、中途失聴・中途難聴になって間もない人たちの中には、突然、障害を持ったことに対して、精神的に凹む人が多いです。
しかしながら、現状は、公的サービスがほとんど無いですし(主に障害者手帳を交付される重度障害の人に向けたものであり、治療中の人や軽・中度の人に対するサービスはほとんどない)、民間のサービスはもっと無い状態です。
メンタルケアの専門家として、世の中には数多くのカウンセラーさんがいらっしゃいますが、中途失聴・中途難聴を専門にしている人は存じ上げません。
なので、僕がそれになろうと考えていますし、僕であればそれになれるとも確信しています。

心に寄り添うカウンセラーを目指す

目の前に現れた人に対して、その人に適したコミニュケーション方法で寄り添って、少しホッとしたり、少し元気になったり、少し前向きになれたり、気持ちが少し軽くなって、その人らしく過ごすためのお役に立てればと考えています。
そしていずれは耳鼻科の医師が自分の仕事(耳の疾患について診断し、治療する)に集中できるようにし、心に生じた異変については、カウンセラーが担当できるようにしたいのです。
しかしながらカウンセリングについては、”まだまだ気軽に行ける場所ではない”状態ですから、道は非常に険しいのですが、やりがいのあることなので頑張っていこうと考えています。

皆さんに向けて

自分らしくボチボチいきましょう。

中途失聴者・中途難聴者に向けて

中途失聴を抱えた人たちに向けて伝えたいことは、新しい世界へようこそ。はじめは辛いし、ずっと辛いかもしれません。
でも、あなたの人生はあなたが切り拓いていくしかありません。

私は微力ですが、そのお手伝いができるかもしれません。そして、あなたの周りには、私以上に心強い人が実はたくさんいるんです。僕自身の実体験からもそれは断言できます。
焦らず、慌てず、ボチボチと今の自分を大切にしながら、健やかに過ごせますように。

周りの方々に向けて

中途失聴を抱えた人の周りにいる人たちへ伝えたいことは、中途失聴について知ろうと、今よりも少しだけ興味を持ってもらえると嬉しいです。

【ミチからのコメント】
今回のインタビューで、大坪さんと障害受容について色々とやり取りさせていただきました。
大坪さんがおっしゃっていたように、障害受容については人それぞれの知見がありますが、障害受容が完璧にできているかと決めつけることは誰もが難しいことだと思っています。
更に、障害が生得的(生まれつき)と後天的(中途)とでは、受容の程度が大きく変化し、特に年齢が働き盛りの頃に障害発生すると一番受け入れ難く苦しむケースもあります。
それもあり、アイデンティティ確立は人それぞれなのでそれを尊重していかねばならないと感じました。そして今回、大坪さんが、「障害受容」という語句は気にしていないとおっしゃっておられたのもそれはそれで、とても良いなと思いました。
また、大坪さんが将来やりたいと思っているカウンセリングは外国と比べたら日本は遅れていますし、まだまだ気軽に行ける場所ではないですね。
それでもやろうとしている大坪さんは意志の強い人だなと思ったし、応援していきたいと思います!

【大坪さんの現在の活動まとめ】

Link・・・http://link-ai.jp/

聴こえマーク・・・http://link-ai.jp/products.html

補聴アプリ・・・http://itunes.apple.com/jp/app/easyhearingaid/id477648318?mt=8
http://itunes.apple.com/jp/app/easyhearingaid/id477648318?mt=8&uo=4

お喋り会・・・http://link-ai.jp/programA.html

おはなしチェア・・・http://ameblo.jp/tyushitsuhappy/entry-12008592316.html

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ムンプス難聴になった経緯については、大坪さん本人が当時の様子などを振り返り本にしてくださっています。
詳細を知りたい方はよろしければこちらを読んでいただけるとその時々の経緯、赤裸々な心境を知ってもらえます。
もしよろしければ是非、ご検討お願いいたします。

※Kindle版
https://www.amazon.co.jp/Kindle%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2-%E5%A4%A7%E5%9D%AA%E5%81%A5%E4%BA%8C/s?ie=UTF8&page=1&rh=n%3A2250738051%2Cp_27%3A%E5%A4%A7%E5%9D%AA%E5%81%A5%E4%BA%8C

※冊子版
http://link-ai.jp/products.html#kdp

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ABOUTこの記事をかいた人

きこえない人(聴覚障害者、ろう者、難聴者、中途失聴者)ときこえる人(健常者)の間の壁をなくしていく団体HAPUNEの代表。 インタビューを中心にマルシェなど様々なこともしています。