ミライスピーカー関西 木内健徳さん

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今回のインタビューは、主に補聴器を付けて活動している難聴者・また高齢で難聴になって困っている方々などを対象に、「ミライスピーカー」というものの販売活動をメインにしておられるミライスピーカー関西の木内健徳さんへインタビューを行ないました!(きこえる方です)
​今回のインタビュー担当者はHAPUNEスタッフの「秋元美智子」さん(通称ミチ)です。ありがとうございました。

難聴者にとって画期的な発明、ミライスピーカー

プロフィール

(木内)
はじめまして、よろしくお願いいたします。
兵庫県神戸市出身です。大学卒業まではずっと神戸で過ごしており、大学卒業後の3年間は東京で働いておりました。
その後は関西に戻り、大阪で暮らしていた時期もありましたが、現在は出身地である神戸に住んでいます。
趣味は習い事である速読教室に通うことですかね(笑)

聞こえない人とのコミュニケーション

(木内)
まず最初に、私は健聴者(耳がきこえる人)です。
ミライスピーカーに携わるようになってから、多くの耳が不自由な方と接する機会が増えました。
私が関わるほとんどの方は難聴の方です。

コミュニケーション方法は口話ですね。できるだけゆっくり、はっきり口を動かすように意識しています。
そうすることで、今まであまり会話で困ったことはありませんね。
手話も少し勉強中ですが、まだまだ日常で使えるレベルではないです。難しさを実感しています。
また、会合の席でミライスピーカーを紹介するお時間を頂戴したときは(聞こえない方々に対して)要約筆記をしてもらうこともありました。でも一番のコミュニケーション方法は口話ですね。

現在のお仕事

(木内)
そうですね。『ミライスピーカー関西』と名乗ってはいますが、実はこれは法人ではなく有志の集まりなんです。
そしてその中で販売営業職をさせていただいております。
ちなみに、メンバーは株式会社サウンドファンの代表取締役である佐藤が通っていたビジネススクールの出身者であり、かつ関西在住の人が集まって活動しています。メンバーは10人程度です。
私自身も、元々は佐藤から声を掛けてもらった1人です。

音量を下げてもはっきり聞こえるミライスピーカー

蓄音機を応用した難聴の方も聞きやすいミライスピーカー

(木内)
ミライスピーカーは健聴者はもちろん難聴の方にも聞こえるスピーカーです。実際に難聴の方(伝音性・感音性)の7~8割の方に効果がありました。ただ、人によって症状は様々ですので、聞こえない方も実際におります。
 
元々は、難聴の人から「蓄音機の音はなぜかよく聞こえる」という意見があったのがきっかけで、研究が始まり、蓄音機の音の出る仕組みを応用してこのミライスピーカーが開発されました。

テレビの音を大きくしなくてもはっきり聞こえる

実際に、開発者である佐藤のお父様が難聴で、テレビの音も大きくしないと聞こえないような状態だったのが、このミライスピーカーをテレビに取り付けて音を出したところ、音量を下げても「聴こえる」という反応を示したこともあり確信をもって売り出しています。

-音源から離れても音量を上げる必要はない


また、一般的なスピーカーとは音の出る仕組みが異なり、このミライスピーカーから出る音は音の減衰が非常に緩やかです。

健聴者と同じ音量にしても聞きやすい優れたシステム

普通であれば、音源から距離が離れる程、音は小さくなっていきます。ですが、このミライスピーカーだと、音源からの距離が離れても音量が変わりません。従って、300名規模の講演会でもこのミライスピーカー1台で十分に会場に声が響き渡ります。
私自身も、先日大阪であった有料老人ホームのイベントでブース出展した際に試してみたところ、実際に会場の端から端まで聞こえて、効果を実感しています。

補足
普通のスピーカーだと音を大きくするだけなので、健常者にとっては「やかましい」だけなのですが、このミライスピーカーは健常者も老人の方も難聴の方も「やかましくなく、はっきりと遠くまで聞こえる」ように開発されています。

ミライスピーカー開発の流れ

「蓄音機だとよく聞こえる」これが開発の原点だった

(木内)
開発自体は約1年かかりました。ただ、実証実験などを含めると約2年半かかっています。
ミライスピーカーは名古屋で音楽療法をやっている大学の先生(蓄音機のコレクターでもあります)が、近所のご老人を集めて視聴会をやったところ、「通常の音響スピーカーではよく聞こえないけれど蓄音機だとはっきりと聞こえる」という話から始まりました。それもたくさんの人がそう言うのだそうです。
それで実際に話を聴きに行って、まずは蓄音機の形から入りました。

それでベタな電気で音が出る試作機を作り、佐藤社長のお父様に対して実験をしました。テレビと試作機を繋ぎ、試作機からテレビの音を出して効果をみる実験です。

音を大きくすると家族に迷惑がかかる・・
そんな心配はもういらない

佐藤社長のお父様は補聴器をして9年、老人性難聴の重度になる手前だったそうで、お家でのテレビの音量も常に大きかったそうです。
結果、そのお父様が補聴器を外しても、テレビの音がはっきりと聞こえる、と。

さらに佐藤社長曰く、「私が聞いても小さいと感じる音だったのに、はっきり聞こえると言っていた」そうです。
そして試作機をテレビから外して、いつも通りのテレビだけの音にすると、もう何を言っているかわからないと。。。
そこからミライスピーカーの開発が始まりました。 

ミライスピーカー今後の展望

バリアフリースピーカーを目指すミライスピーカー

(木内)
ミライスピーカーは、当初は老人性難聴者向けのスピーカーとして作っておりました。
 
ですが、2年半の実験でほぼあらゆるタイプの後天性難聴の方に有効なこともわかりました。ただ、重度難聴者にはまだ無理なようです。また、人工内耳を入れた重度の方には5名実験して5名とも有効なようでした。

重度の方は個人差が大きいのでまだまだですが、改良を重ねることによって聴こえのレンジは拡大すると思います。
今後は公共用の誰にでも聞きやすいバリアフリースピーカーを目指します!!

お互いの理解を深めるために・・・


私は今回のミライスピーカーの仕事から、難聴の方と関わるようになったのですが、それまでは恥ずかしながら接する機会が全くありませんでした。他の健聴の人達もなかなか中~重度の難聴や聾の方と接する機会は少ないと思います。
ですので、「交流できる機会がもっとあればお互いの理解も深まるのに」って最近思うようになりました。
将来的にこのミライスピーカーの性能がアップして聴こえる人が増えれば、もしかしたら社会が変わるかもしれませんね!

「聞こえる喜び」を多くの人に味わってほしい

ミライスピーカー関西は関西のみ

(木内)
『ミライスピーカー関西』というのは、私達関西チームが勝手につけた名前なんです 笑
代理店チームは、関西の他には‟中国” ‟九州” ‟沖縄”がありますが『ミライスピーカー九州』とか「ミライスピーカー沖縄』とは名乗ってないようです 笑
関東については㈱サウンドファンが直接活動していますので、今後このミライスピーカーが広まってきたら関東の代理店もできるかもしれませんが、今のところは未定ですね。

ミライスピーカーはまだ福祉の補装具・生活用具等給付、貸与制度の対象ではない

(木内)
現在のところは対象外です。
ただ、今後は福祉機器認定にする予定です。レンタルなども企業さまからご提供する予定です。

木内さんから皆さんへのメッセージ

色々な人が様々な理由で難聴になる

(木内)
音の問題で困っている人は実は言語特性から日本以上に世界で多いのです。日本語は母音が多いので比較的聞きやすい言語だといわれています。
 それに対してアメリカやヨーロッパは口を大きく開けずに発音する子音が多い言語といわれています。
子音は高音です。加齢性難聴は高音から聞こえにくくなるので、実は難聴で悩む人というのはそれらの言語特性を持つ国に多いのです。そういった理由から、ヨーロッパでは補聴器の技術・文化が発展しているのです。
そして軍隊の退役軍人も、機関銃等が原因で難聴になる人が多いです。
また東南アジアは言語特性だけでなく医療の問題で難聴者がとても多いです。一方、タイなどではまだ難聴という定義すらできていない状況のようです。これはアフリカや南米でも言えることだと思います。
 私たちは一人でも多くの音の問題で困っている人たちを救うために、これからも頑張ります。

ミチからのコメント
今回、ミライスピーカーという商品があるということを知りインタビューをお願いした時は丁寧に対応してくださいました。
また、ミライスピーカーは音量を上げなくても聴者と同じ音量で聴くことができる、というのはビックリしました。

よく聞くのは、家庭内でおじいさんやおばあさんが耳が遠くなったけどそれに気づかずテレビの音量を上げる→家族から「やかましい」と怒られテレビの音量を下げられる→この繰り返しで段々テレビを見なくなり、部屋に引きこもってしまう→鬱になるというループ。
この鬱が介護をが必要になるレベルまで体に影響してしまう、という話も聞くので、それを防ぎ、難聴になっても家族みんなで同じ音量でテレビを楽しめるこのスピーカーはとてもいいと思いました!
是非とも広まってほしいですね。

ありがとうございました。

株式会社サウンドファン ミライスピーカー

[blogcard url=”http://soundfun.co.jp/comfort/product/mirai-speaker/”] ​
​大きな特徴:ミライスピーカー®からの曲面サウンドは聴こえやすくなるので、TVなども普通の音量で聴くことができます。
 家族に気を使いながらTVの音量を上げている方も、ミライスピーカー®を音源とすれば、みんなで楽しくTV鑑賞ができる、”音”のバリアフリー空間を創ることができます。(HPより引用)

文責:ミチ(HAPUNEスタッフ)

ABOUTこの記事をかいた人

きこえない人(聴覚障害者、ろう者、難聴者、中途失聴者)ときこえる人(健常者)の間の壁をなくしていく団体HAPUNEの代表。 インタビューを中心にマルシェなど様々なこともしています。