ムラサキスポーツにブギーボードと手話を広めた 門馬恵一さん

Pocket

今回のインタビューは、現ムラサキスポーツの門馬恵一さん。(きこえる方です)
門馬さんは、そごう千葉ジュンヌ店でサーフィン、スノーボード、スケートボード(頭文字を取り3S)を中心に販売スタッフをしておられます。
そして、あることがきっかけでムラサキスポーツ会社全体でブギーボードを普及させました!
またそれだけでなく、きこえない方々(=以下、デフ)を対象にしたスノボツアーを設けたりなど、デフの方々にスポーツを楽しんでもらうことを考えてくださっている方です。
今回はそれについてインタビューしてみました。(インタビュー者はあやこさんです。ありがとうございました。)

ムラスポでブギーボードを普及させた門馬さん

ーこんにちは。今回はムラサキスポーツでブギーボードを普及させ、かつ、デフへスノボツアーなどを企画しておられる門馬さんへインタビューです。
簡単な自己紹介をよろしくお願いいたします。

(門馬)
初めまして、ムラサキスポーツ(以下ムラスポ)そごう千葉ジュンヌ店で販売スタッフをしています。
趣味はサーフィンです。

様々なお客様を接客しておりますが、聞こえない方(以下デフ)も来店されます。
その時は口話、手話、筆談と話の内容や必要に応じて使い分けております。
特に手話の読み取りが難しく、何度も同じことを聞くこともあります。

5年ぐらい前から会社全体でデフの方へのサービス、コミュニケーションの向上としてブギーボードを設置。
3年前からデフ対象のスノボーバスツアーも開催。
昨年はデフ対象のスケボースクールも開催してきました。

Uさんとの出会いで変わった人生、一日で覚えた指文字

ーデフと交流するようになったきっかけを教えてください。

(門馬)
あるデフサーファーとの出逢いがきっかけです。
年齢も近く、サーフィンがとても好きなUさん。
とても紳士で色々な話をしました。ちょうど15年前だと思います。
実はブギーボードも彼からの勧めでした。

彼と出逢ってから手話を覚え始めて15年。
の割に、私の覚えが悪いですけど(笑)
最初はジェスチャーや筆談でした。
話が弾むと書く量も多くなり、手話を使えばもっとスムーズに話せるかと考え、指文字を1日で覚えました。
(たまに間違えますが)
指文字での会話が多くなると途中で何をどこまで言ったのか自分でもわからなくなり、手話の単語を覚えようと勉強。
そしてUさんとの繋がりで千葉デフサーフィンクラブの存在を知りそこからデフのサーフィン友達が増えました。
この場を借りてUさんと出逢えたことに感謝します。ありがとうございます。

デフスクール・ツアー開催のきっかけ

増えた友達の中に、デフリンピックのスノーボードハーフパイプの代表選手がいました。

***デフリンピク***
聴覚障害者のみで行われる4年に一度のオリンピック。
デフリンピックの方が歴史は長く、1924年から開催。
そのため、後から開催されたパラリンピックとは別にされている。諸説あり
******

その方と「今度みんなでスノボーしたいね」って話が盛り上がり3年前に第一回日帰りバスツアーを開催。
その時の参加者は30名ぐらいでした。この時に、家族みんなで楽しめるイベントっていいなと強く思いました。

昨年の3回目は夜出発の一泊二日。この時はバス2台で60名集まりました。

その夜の交流会で「次のイベントまで待てないね」という声から、スノボー上達のためもありすぐにスケボースクールを開催しました。

*********
ろう者・難聴者(=デフ)は、「何かを教えてもらいたい、学びたい」と思っていても手話や筆談、身振りなどで教えてもらえる場がなかなか見つかりません。
そのため、学ぶことを諦めてしまったり、また自己流で身につけたりという人が多いです。
そのため、門馬さんのように自分から手話を学び、覚えて、自分からろう者・難聴者を集めてスクールを開こうという方がいると嬉しいし、そういう時は多くのろう者・難聴者が集まります。
いかにみんなが喜んでいるかが写真からも伝わってきますね!
*********

目覚ましで起きられないことの不安をはじめて知った

この時にはじめて知ったのですが、デフツアーの参加者の方々から「目覚ましが聞こえないから朝起きられるか、集合時間に間に合うか・・・」という不安があることを初めて知りました。
そのため、参加者の中には、それが不安で朝まで寝ないで来た、という方もいてびっくりしました。

聴者(=聞こえる人)もろう者も次の日に楽しみがあるとなかなか眠れないのは同じですが、寝てしまうと目覚ましや周りの音が聞こえないという不安があるんだなということをその時に初めて知りましたね。

​このように、聴者とろう者はコミュニケーション方法が違うだけだと思っていましたが、実際に接してみると生活上の色々な不便を感じていることに気づきました

*****
ろう者・難聴者のためのバイブで起こす目覚ましも今は色々と出ていますが、器具が大きいため旅行中には持ってこれないこともあり、そういう時は困るという人も多くいます。
また、今は腕時計型の目覚ましバイブもありますが、振動が弱いため気づかず起きることができないという人もいます。
*****

ろう者に教える時はアイコンタクトが重要

ツアーで教える時は、自分が分かる手話を使い通訳しますが、スノボやスキーなどは身体を動かすスポーツなので言葉に頼れない分、表情やジェスチャーが大きくなってくると思います。
そのため、アイコンタクトを取りやすいよう、少人数グループを作ります。
そしてムラスポスタッフ、インストラクター(共に健常者)で指導。私はそれを通訳したり、サポートしたりもしています。



そして指導する時は、健常者とデフでは教える順序が異なります。
健常者には言葉で解説してから実演。
デフにはまず実演し、また再度実演しながら解説します。
身体を使って教える方がデフには良いと感じました。

この時にホワイトボード、ジェスチャーを使いますが、健常者に教えるときと比べて「目を見て話すことを学んだ」という声が他のスタッフやインストラクターからありました。
もしかしたら、健常者の場合は言葉に頼りすぎてアイコンタクト、表情を意識しきれてない場面があるかもしれません。
これは今後我々健常者の課題でしょう。

でも、スポーツの凄いところは言葉にしなくても楽しめることなのだと改めて感じました。

ムラスポにブギーボードを導入したきっかけ

先ほど話した、ろう者との出会いのきっかけとなったUさんに、ムラスポなどでのデフへの接客対応での心配り、また、お店に対しての要望をデフのお客様からも聞きたかったので、どうしたら良いかを相談しました。
すると、ブギーボードの提案をいただきました。

それをお客様の声として上司に聞いていただき、かつ、デフが各店に足を運んでくれているのもあり、レジ前お知らせ表示や伝言メモにも便利だったのでスムーズに採用され、各店舗に配置することができました。
思ったよりスムーズだったのと、それまでにもデフがスポーツ関係で多くムラスポに来店してくださっていたおかげだと思います。

余談*波乗り道具のボディボードを昔はブギーボードと呼んでいた時期があるので「え!?!?」と聞き直しちゃいました(笑)

ブギーボード導入後の店員さんの反応

まだ手話や筆談に触れたことがないスタッフが多く、それで戸惑いはあったようですが、ブギーボードのおかげでデフのお客様がブギーボードで話してくれるようになり、デフのお客様との手軽な筆談で距離が近くなった、という声が多いです。
また、3S(サーフィン、スケートボード、スノーボード)という共通の趣味をプライベート交流でも楽しんでいる、さらに手話を覚えはじめたスタッフがいる、という嬉しい報告もあります。

​これをきっかけに、これからもどんどん手話を身近なものとして感じ取ってもらえたら聴者とデフとのコミュニケーションも増えると期待しています。​

今後のムラスポでの手話に対する取り組み

ムラスポのスタッフ全員が手話ができるお店作りを目指し、空いている時間に手話を教えています。

そんなそごう千葉ジュンヌ店(4月28日オープンしたばかりです!)は、日々成長できるよう努力中。

そして今はムラサキスポーツジュンヌ店スタッフは自己紹介は手話でできるようになりました
手話の読み取りはこれからももっともっと経験を積んでいきたいですね。今後もよろしくお願いいたします。
​そして店にも足を運んでもらえると嬉しいです!

これからの夢は聞こえる人も聞こえない人もともにスポーツを楽しめるようにすること

これまでデフツアー企画をした時にファミリーでの参加が多く、つくづく3Sの「楽しむ力」を感じました。
親が子にルール、マナーを教え、子が親に遊び方を教え、そしていつか子が親離れして、また友達と離れても3Sを続けていればその後もまた一緒に楽しむことができるって心の支えにもなるし楽しいじゃないですか!
そんな3Sを始めるきっかけ作りをし、コミュニティを広げてもらって、聞こえる人、聞こえない人が3Sを通じて交流が深まればもっと楽しめると思います。
これからもムラサキスポーツで3Sの楽しさを伝え、自分も楽しんで続けていきます。
そのためには自分も健康であり、趣味の一つのサーフィンをこれからも続けていきながら笑いあえる人との繋がりを深めていきたいですね。

そごう千葉ジュンヌ店
FAX043−445−8522
TEL043−445−8521
千葉県千葉市中央区新町1001番地
そごう地下オーロラモールジュンヌ地下1階
門馬恵一さん

あやこさんからのコメント

聞けば門馬さんも地域予選を勝ち抜き全国大会に行かれてるとか。
腕前も専門知識もあるのでレベルにあった道具選びなど、スタッフに相談していただけると安心して充実した買い物ができそうですね^^

また、聞こえる人も聞こえない人も、親も子も共に楽しめるっていいですね!これからも、デフたちのために手話で教えることができるデフ企画楽しみにしています!門馬さん、ありがとうございました^^

文責:HAPUNEスタッフ:NO SEA NO LIFEあやこさん
https://www.instagram.com/nosea.nolife/

ABOUTこの記事をかいた人

きこえない人(聴覚障害者、ろう者、難聴者、中途失聴者)ときこえる人(健常者)の間の壁をなくしていく団体HAPUNEの代表。 インタビューを中心にマルシェなど様々なこともしています。